Ch4-5 競争力評価分析

業界の中でライバル企業に対して競争優位を得ることが重要になってくると述べてきました。 では、はたして今どのくらい競争優位を持っているのかを知るのに役立つのが競争力評価分析(Competitive Strength Assessment)です。または加重平均競争力分析 Weighted Average Competitive Strength Assessment とも呼ばれます。
一言で競争優位といっても、製品やサービスは様々な特徴を持っているため、どっちが優れているかと単純に比べるのは簡単ではありません。競争力評価分析では、いろいろな特徴、競争優位に必要な要素を加味し、総合的にどのくらい競争優位を得ているかを見ていきます。

競争力評価分析のステップ

競争力評価分析の流れはこうです。

  • STEP1 業界で成功のカギとなる要因・競争力優位や弱点となる要素をリスト化します。6から10個くらいが一般的です。
  • STEP2 リスト化した要素がそれぞれどのくらい重要かをトータルで100%になるように割り当てていきます。
  • STEP3 それぞれのリスト項目で、自分の企業とライバル企業がどれくらいか10点満点で点数をつけていきます。
  • STEP4 そのつけられた点数をSTEP2で割り当てた比率で加重平均をして総合的に何点かをみます。

旅行代理店の業界での例

競争力評価分析の例を旅行代理店の業界でみてみます。

STEP1 旅行代理店業界での成功のカギ

旅行代理店の業界での成功のカギをリスト化してみます。

  • コストパフォーマンス: 安くて充実した旅行を提供できているか。
  • 企業の評判やイメージ:名前が知られ信頼されているかは重要な成功のカギとなるでしょう。
  • インターネットアクセス: Webサイトは見やすいか、スマートフォンからアクセスしやすいか、検索サイトで上位にくるかなども重要な成功のカギとなるでしょう。
  • 旅行先の数: 提供できる旅行先が多ければ多くの顧客に対応できるでしょう。
  • アフターサービス: 旅行先でなにかトラブルに会った時対応してもらえるかなどを気にする顧客もいるでしょう。
  • 従業員の接客力: 顧客に適切なサービスを提供できるかもカギになるでしょう。
  • 支店の数: 全国にどのくらいの支店があるかも市場のシェアを獲得したり、規模の経済性を活かすことになるでしょう。

STEP2 成功のカギの重要度

STEP2ではリスト化したカギがそれぞれどのくらい重要かを比率で表していきます。
インターネットアクセス・旅行先の数は特に重要なので20%としました。
それに次、コストパフォーマンス・評判やイメージも重要なので15% とします。
このようにそれぞれの成功のカギとなる要素がどのくらい重要なのかを割り当てます。

STEP3 企業の評価

STEP3では各企業の成功のカギの項目を10段階で評価します。

STEP4 加重平均

STEP4では成功のカギの重要度の割合にそれぞれの点数に掛け算をして加重平均していきます。
例えば
ライバル社Aのインターネットアクセスの評価は8点
それにインターネットアクセスの重要度合は20%なので
8*20%で1.6点となります。

加重平均後点数を合計し各企業を比べてみます。
競争力評価分析はどのライバル企業が業界内で総合的に競争優位を持っているのかを教えてくれます。
ここではライバル社Bがもっとも競争優位に立っているといえます。
旅行代理店業界での成功のカギとなる項目をしっかり抑えることにより業界内で競争優位を得ているともいえるでしょう。
そして、競争力評価分析では、ライバル社と劣っている部分はどこか?どの点ではライバルに勝っているか?重要な成功のカギなのに低い評価はないか?今後どこに力を入れていくべきか?などを知ることは業界内で競争優位を得て行くための戦略方針を固めるのに役に立ちます。

評価分析手法の解説

この基準を細分化し、加重平均を行う評価分析の方法は、評価の基準が曖昧で抽象的なものを評価するのに役に立ちます。
消費者が商品を選ぶ時にも最終的には消費者の好み・主観により決まります。しかし、MBAでならう経営戦略では出来る限り個人的な好みや主観といった判断基準に頼るのではなく、具体的な事実背景をもとに論理的に結論を出すことに専念します。
少し身近な例でこの評価分析方法の考え方を見てみましょう。
例えば、あなたが歌手の審査員をするとします。歌の好みは人それぞれの個人的な主観によります。しかし、あなたは審査員ですから、どの歌手が一番”好き”かではなく、どの歌手が一番”歌が上手い”かを評価しなければなりません。
加重平均による評価分析は、この”歌が上手い”という曖昧な基準を出来る限り客観的に判断することを手助けしてくれます。
まず、”歌が上手い”の基準を細分化してみます。
”歌が上手い”となるカギは以下のようなものだとします。

  • 音程が正確にとれる
  • 音の強弱・メリハリがつけられる
  • 広い音程が扱える
  • リズム感がある
  • 声量がある
  • 聞き取りやすい発音である
  • 声の質の良し悪し

このように細分化することにより、”歌が上手い”という曖昧だった基準もいくらか明確になり、審査が客観的に行いやすくなったと思います。
それぞれの項目がどれくらい重要かを踏まえ、各歌手に対して項目ごとに点数をつければ総合的に判断し評価できるようになったと思います。

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