Ch5-4 トレンド分析

トレンド分析 Trend Analysis

トレンド分析では売上高や利益を見てどのような傾向(トレンド)があるかを見ていきます。
また今後どのくらいの売上高や利益を見込めるか予測します。
トレンドを見ることにより、今行っている戦略がどのくらい成功しているか知ります。
一般的に以下のようなものトレンドを指標とします。(必要によっては財務以外のものも含まれます。)

  • 企業の売上高やその成長率
  • 企業の株価の動き
  • 企業の財務的な強さ
  • 顧客からの評判
  • 新規顧客の獲得
  • その他、企業内部のオペレーションに関わる数字
  • 製品不良の数

例えば、企業の売上高が年々増えているのであれば、売上高を増やすという戦略は成功していると言えるでしょう。
トレンド分析には様々な方法がありますが以下のようなものが一般的です。

  • 移動平均 (Moving Average)
  • 指数移動平均 (Exponential Smoothing)
  • 回帰分析による分析 (Liner Regression)

これらの計算は複雑なものもありますが、今はExcelなどの表計算ソフトなどで簡単に行えるようになりました。

移動平均法 (Moving Average)

移動平均法過去複数のデータを加味した平均値を求めることにより全体としての傾向を知る方法です。
下記のような売上データがあるとします。

Stacks Image 12

移動平均法では3つの過去の売上を平均したものを次の月の予測値とします。
第1、2、3の月の売上が450,500,450なので
(450+500+450)/3 = 467
第4の月は467となります。(予測値)
第2,3,4の月の売上が500,450,550なので
(500,450,550)/3 =500
第5の月は500となります。(予測値)
こうして下の表のように、次々に平均値移動させていくのが移動平均方です。

グラフで表すと次のようなものになります。

月ごとに売上の上下はあるものの全体としては売上が伸びていることがわかります。

予測値の正確さを計る

では一体どれくらい予測値のラインが正確なのかを知るにはどのようにすればよいでしょうか?
予測値の正確さを知るには様々な方法がありますが、MAPE(Mean absolute percentage error)を紹介します。
Mean とは平均値、absoluteは絶対値、percentage は百分率割合、errorとは実際の数値と予測値の差をそれぞれ意味します。
下記の表を見てください。

まず、売上高(実際の数値)から予測値を引きError(予測値との差)をだします。
第4の月では550-467=83で83が違いとなります。
ただし、83という数字単体では大きな違いなのか、小さな違いなのかわかりません。
ではこの83という数字は実際の数値に対してどのくらい違うのでしょうか?
83を実際の数値で割ることによってどのくらいの割合を占めた違いなのかを知ることができます。
83/550*100%で15%の違いが予測値との間にあることがわかります。
違いはマイナス値であることあるため絶対値で表します。
そして差の割合を合計します。ここでは191%です。
この191%を差を出し多分の月数で割ります。ここでは9ヶ月分
191%/9で約21%。予測値の誤差の平均が上下約21%ということがわかりました。
つまり、この数字が小さければ小さいほど実際の数値に対して移動平均法の予測値が正確といえることになります。

回帰分析による分析(Linear regression)

回帰分析を行うことにより売上高の推移を
y=bx+aの一次方程式で表すことができます。
y:売上高 x:月 b:傾き  a:切片
先と同じデータを使ってグラフを作ってみました。

Excel の図表作成ではこの式を自動で計算してくる機能があります。
Excelの関数を使う場合
まず傾きを求める時にはSLOPE関数を使います。
=SLOPE(月の範囲、売上高の範囲)
切片を求めるにはINTERCEPT関数を使います。
=INTERCEPT (月の範囲、売上高の範囲)
例のデータでは傾きは約12・切片は約454です。
これにより
y=12x+454という式で売上高の予測を表すことができます。
また傾きが正の数ということは、売上高のトレンドは上向きということもわかりました。
この式を使い回帰分析の予測値を計算してみます。

どちらが正確か?

移動平均法と回帰分析どちらが良いかというは単純ではありませんが先程と同じくMAPEを出して見ましょう。

170%/12ヶ月でMAPEは約14%となり、今回は移動平均法よりやや誤差の少ない予測値ということがわかりました。
トレンドを知り予測モデルを立てる方法は 必ずしもこの方法が一番というものがあるわけではありません。
他にも季節による変化を加味する方法や、最近の売上に重点を置いたものなど様々あります。
企業の製品の性質などにより使い分けるとより正確なトレンドを知ることができることもあります。

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