Ch6-5戦略グループマップ

戦略グループマップ分析では、市場での企業とライバル企業の立ち位置を明らかにしていきます。
もっとも似通ったライバル企業は誰か?直接的なライバル関係にある企業は誰か?似たような戦略をとっている企業はどこか?を視覚的にもわかりやすいように『地図』に描きます。後述で例を示すので、そちらをまず見てもらったほうがわかりやすいかもしれません。

戦略グループマップ

戦略グループマップの組み立て方の手順は以下のようになります。

  • まず業界内で成功するために・戦略の基礎となる重要な要素を特定します。(後述)
  • 特定した2つの要素をそれぞれ地図の縦軸と横軸とします。
  • その地図に企業が取っている戦略に対応した位置に企業を配置します。
  • その企業の売上やマーケットシェアを基準として、円の大きさを描きます。

戦略グループの例: ペプシコ

ペプシコ(PepsiCo,Inc) と聞いてどんなライバル会社が思い浮かびますか?
ほとんどの人がコカ・コーラと答えるかもしれません。もちろん間違いではありません。コーラといったら、世界的に見てもコカ・コーラかペプシコーラかとなるでしょう。
ただ果たしてペプシコが行っている企業戦略上の本当のライバルはコカ・コーラでしょうか?
戦略グループマップでは市場でのライバルのポジション関係を視覚化し、戦略を取っていく上でもっとも近しいライバルや似たような戦略とっているライバルなどを探っていきます。
コカ・コーラ社は主にコーラや炭酸飲料などの飲料品に力を入れ国際展開し、そのブランドイメージを世の中に浸透させることに戦略の基礎を置いています。
一方、ペプシコ社は近年は飲料品だけでなく、朝食シリアル(Quaker Oats)・ポテトチップス(Frito-Lay)などの食料品ブランドを次々買収し、食料品にも力も入れ国際展開しています。近年では日本の大手スナック菓子メーカーのカルビー社の大株主にもなりました。
ここで取り上げるペプシコ社の戦略の方針となるものは2つです。

  • 国際展開に力を入れる。
  • 商品の種類に幅を持たせる。

この2つの軸を基準として、他のライバルの会社を戦略グループマップにして見てみます。
縦軸がどのくらいの国を販売網としカバーしているか。
横軸が商品の種類の幅が広いか。
円の大きさそれぞれの売上高の規模を表しています。(2014年度決算報告書のデータより)
ペプシコ社の位置関係を見てみると、売上高の規模・国際展開・商品の種類などの点からコカ・コーラ社よりもネスレ社のほうが戦略上、近いライバル関係にあるといえることができます。
また、他にはモンデリーズ・インターナショナル社やコナグラフード社も戦略上、近いライバル関係あるといえるでしょう。

基軸よく使われる要素

戦略グループマップを作る上で下記のような基準が基軸としてよく使われます。

  • 価格/品質の範囲(高品質高価格帯・中程度・低品質だが低価格)
  • 地理的なマーケットの範囲(狭い特定の地域・特定の地方・全国展開・国際展開)
  • 商品の種類の幅(狭い・広い)
  • サービスの程度(オプションが少ない・オプションが多い)
  • 流通経路(小売・卸業者・インターネット・複数)
  • 垂直的統合性(なし、一部、全部)(原料生産や販売などを一貫して行っているか)
  • 他の業種への参入の具合

戦略グループマップの組み立て方のガイド

  • 縦軸と横軸との基準は関係性がないものが好ましい。
  • 基準は、ライバル間の戦略のアプローチの重要な要素であること。
  • 基準は、計測できるものであること。
  • 円の大きさは売上高やマーケットシェアを相対的に示すものであること。
  • 戦略グループマップは業界内の各企業の戦略アプローチのいち関係を示すものであること。

戦略グループマップの活用

戦略グループマップは業界内でそれぞれの企業がどのような立ち位置にいるかを教えてくれます。同じ業界でも戦略の方向性は様々です。ある企業は高価格でハイエンドな製品を狭い流通範囲で提供して、また別の企業は高品質ではないものの低価格で広い流通経路を使って多くの人に提供しているなどです。
また過去のデータと比べることによりライバル企業がどのような戦略の方向に向かっているかを知り、今後どのような動きを見せるかを予測するのにも役に立ちます。
マップ上で企業が他の企業と同じ位置で重なり合っていたら、同じ戦略の方向性を持っていて直接的な競争を余儀なくされるでしょう。 ただし、注意しなければいけないのが、重なり合っていなくて「住み分け」できていたとしても、果たしてそのポジションは収益率が見込めるかどうかはまた別の話になってきます。そのポジションで良い収益率が見込めるかなどはファイブフォース分析やPESTEL分析でも見直す必要があります。

戦略グループマップ in Excel

Excelなどで戦略グループマップを作る場合はバブルチャートグラフを使うと良いでしょう。
基軸に使われる2つの要素の行を作り、それぞれの企業を10段階で評価します。3つ目の行は企業の売上高で円の大きさを表すのに使います。

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