【初級編】では、スキルとは何か、どこで探してどう入れるかを説明し、一人の日々の作業に使える10個を紹介しました。

この【中級編】は、その次です。部門の仕事——営業、顧客対応、データ管理、情報収集——に効く10個を紹介します。

選び方は「誰の、どの仕事か」から

公式の一覧には、200以上のプラグインが並んでいます。上から順に見ていっても、まず選べません。

選び方は逆です。自社の仕事のうち、時間を取られているものを先に書き出す。 そのあとで、それに合うものを探します。

この記事は、その「合うもの」を探すときの地図です。

この記事で紹介する10個

分野スキルこんなとき
顧客・案件monday-crm商談の進み具合が把握できていない
顧客・案件activecampaignメール配信とフォローが属人的
顧客・案件intercom問い合わせ対応が増えている
仕事の管理asana誰が何をやっているか見えない
仕事の管理airtableExcelの台帳が限界にきている
つなぐzapierサービス間の転記が手作業
つなぐpostizSNS投稿が続かない
情報firecrawlサイトの情報をまとめて取りたい
情報project-artifact進捗報告の資料作りに時間がかかる
事故防止hookify同じ注意を毎回伝えている

いずれも、入れ方は【初級編】と同じです。

/plugin install monday-crm@claude-plugins-official

顧客と案件を管理する

monday-crm — 商談の状態を、普通の言葉で扱う

こんなとき:商談はいくつか進んでいるが、今日どれから手をつけるべきか判断できない。

こうなります:商談の一覧を作る、朝一番に優先順位付きの報告を出す、見込みの図表を作る、散らかったデータをまとめて直す、といったことができます。

特筆すべきは、打ち合わせのメモを、そのまま商談の更新に変えられることです。しかも、結果は見るだけではなく、monday側に実際の更新として書き戻されます。

今週の商談を、金額と確度の高い順に並べてください。そのうえで、今日どれから連絡すべきかを3件だけ挙げ、それぞれ理由を一行付けてください。

activecampaign — メール配信とフォローを仕組みにする

こんなとき:問い合わせをもらったお客様への連絡が、担当者の記憶頼みになっている。

こうなります:連絡先の管理、メールの配信、自動でのフォロー、商談の管理を、会話で扱えます。

小さい会社では、この手の仕組みは「入れたが、設定が難しくて使っていない」となりがちです。設定画面を覚えなくても、やりたいことを言葉で伝えれば進むのが、このスキルの価値です。

intercom — 問い合わせの「傾向」を見る

こんなとき:問い合わせ対応に時間を取られているが、何を直せば減るのか分からない。

こうなります:過去のやりとりを検索し、問い合わせの傾向を分析できます。

これは、対応を楽にするだけの道具ではありません。同じ質問が繰り返し来ているなら、それはホームページの説明不足です。問い合わせの中身は、サイトを直すための資料になります。

過去3か月の問い合わせを読んで、同じ内容が繰り返し来ているものを多い順に5つ挙げてください。それぞれ、ホームページのどこに書いておけば減らせそうかも提案してください。

仕事を割り振る、記録する

asana — 誰が何をやっているかを見えるようにする

こんなとき:仕事の割り振りが口頭とメールで、進捗を聞かないと分からない。

こうなります:タスクの作成と管理、プロジェクトの検索、担当の変更、進捗の確認が会話でできます。

ひとつ注意点があります。このスキルは、入れたあとに一度だけ /asana-setup という初期設定が必要です。入れてすぐに動かないときは、これを忘れていないか確認してください。

airtable — 業務の台帳を作る

こんなとき:Excelで作った台帳が、人が増えて限界にきている。

こうなります:台帳の型を作る、データを出し入れする、見やすい画面を用意する、といったことを会話で進められます。

Airtableは、同じデータを表、かんばん、カレンダー、一覧、年表など、見たい形で切り替えられます。現場はかんばんで見、経営者は一覧で見る、といった使い分けができます。

台帳を作るところが一番面倒なので、そこを任せられるのが利点です。

つなぐ、自動で動かす

zapier — 8,000以上のサービスをつなぐ

こんなとき:フォームに届いた内容を、手で表に転記している。

こうなります:8,000以上のサービスの操作を、探して、有効にして、実行するところまでできます。

これが今回の10個の中でもっとも幅が広いスキルです。個別のスキルがないサービスでも、Zapierが対応していれば届く可能性があります。

ただし、幅が広いということは、間違えたときの影響も広いということです。最初は、送信や削除を伴わない、読むだけの操作から試してください。

postiz — SNS投稿の予約と分析

こんなとき:SNSをやるべきとは思うが、思い出したときだけになっている。

こうなります:投稿の予約、画像のアップロード、反応の分析を、X、Instagram、YouTube、TikTok、LinkedInなど28以上のサービスに対してまとめて扱えます。

SNSが続かない原因の多くは、内容ではなく投稿の手間です。まとめて作って予約しておける仕組みがあるだけで、続く確率は変わります。

情報を集める、渡す

firecrawl — サイトの情報をまとめて取り込む

こんなとき:自社サイトを作り直したいが、今何が何ページあるのか把握できていない。

こうなります:1ページだけでも、サイト全体でも、中身を整った形で取り込めます。

リニューアル前の棚卸しに使えます。どのページがあるのか、何が重複しているのかを一覧にするところから始めると、話が進めやすくなります。

このサイトのページをすべて取り込んで、ページ名、見出し、掲載しているサービス名の一覧を表にしてください。リンク切れや、同じ内容が重複しているページがあれば、別の表に分けてください。

他社のサイトを取り込むときは、利用規約と著作権に注意してください。参考にするのと、中身を流用するのは別の話です。

project-artifact — 進捗のページを、リンクで渡す

こんなとき:進捗報告の資料を、毎回作り直している。

こうなります:概要、完了の条件、作業の順番、次にやることをまとめたページを作り、共有リンクとして渡せます。

優れているのは、更新すると同じURLのまま中身が差し替わる点です。お客様には最初に一度リンクを送るだけで済み、以後はそこを見てもらえます。ファイルを何度もメールする必要がなくなります。

事故を防ぐ

hookify — 「これだけはさせない」を仕組みにする

こんなとき:毎回同じ注意を伝えているのに、ときどき忘れられる。

こうなります:避けたい振る舞いを、ルールとして固定できます。会話の中でのお願いと違い、こちらは忘れられません。

「請求書フォルダの中のファイルは、私が確認するまで書き換えない」というルールを、毎回お願いしなくても守られる仕組みにしてください。

前回のコマンド【中級編】で紹介した /permissions と似ていますが、範囲が違います。/permissions は「どの操作を許すか」、hookify は「どんなやり方を避けるか」を決めるものです。

入れすぎない

3つまで、から始める

10個紹介しましたが、同時に入れないでください。

理由は2つあります。ひとつは、【初級編】でも触れたとおり、入れるほど毎回の記憶を使うからです。もうひとつは、一度に増やすと、何が効いたのか分からなくなるからです。

今一番時間を取られている仕事に合うものを、1つから2つ。それを1か月使ってから次を考える、で十分です。

使われているかを確かめる

/plugin の Stats タブを見ると、それぞれのスキルがどれだけ記憶を使い、どれだけ使われているかが分かります(この表示は環境によっては出ないこともあります)。

入れたものを見直すのは、入れることと同じくらい大事な作業です。月に一度、見る日を決めておくと楽です。

使いたいサービスのスキルが無いときは

ここまで読んで、「うちが使っているサービスは一つも出てこなかった」と思った方もいるはずです。

それは普通のことです。公式の一覧にあるのは、世界中で広く使われているサービスです。国内だけで使われているサービスや、業界特有の業務システムは、ほとんど見つかりません。

そして、これはスキルの限界ではありません。無いのなら、作ればいいだけです。

自社の手順は、そもそも他の人が作るはずがありません。次の【応用編】では、自分の仕事の手順をスキルにする方法を扱います。プログラムは書きません。

この記事の前提(2026年9月時点)

この記事は、2026年9月8日時点の公式ドキュメントと、公式の一覧に載っている説明に基づいています。

紹介した10個は、公式の一覧の説明を読んで選んだものです。いずれも外部サービスの契約が前提になります。料金や利用条件は各サービスの公式サイトで確かめてください。

まとめ:道具を探す前に、困りごとを書き出す

中級編の10個を並べ直すと、すべて同じ形をしています。

人が手で繰り返している作業を、仕組みに寄せる。 転記、集計、報告資料の作り直し、同じ注意の繰り返し。こういった作業は、増えても売上にはなりません。

だから、道具を探す前にやることはひとつです。

今週、自分が何に一番時間を使ったかを書き出す。 その中に「別に自分がやらなくてもいいこと」があれば、それが最初の1つです。

次の【応用編】では、その作業の手順を、自分でスキルにする方法を紹介します。