前回、4つの箱に並べて掛け合わせ、進む方向を1つ選びました。

ただ、ひとつ問題が残っています。「強み」の箱に書いたものは、すべて自分で書いたものです。

自己申告の強みは、あてにならない

「丁寧な対応」「長年の経験」「地域密着」。

これらは、同業のほとんどが同じことを言っています。同じことを言っている以上、お客様から見れば違いになりません。

悪いのは、丁寧にやっていないことではありません。それを強みだと思い込んだまま、そこに人とお金を注ぐことです。

強みかどうかを決めるのは、自分ではなくお客様と競合です。だから、思い込みを外すために検算が要ります。

4つの問いで検算する

前回並べた「強み」を、上から順に4つの問いにかけます。

強みを検算する4つの問い。1お客様にとって価値があるか、2他社が持っていないか、3真似するのに時間やお金がかかるか、4それを活かす体制になっているか。
強みを検算する4つの問い。1お客様にとって価値があるか、2他社が持っていないか、3真似するのに時間やお金がかかるか、4それを活かす体制になっているか。

① お客様にとって価値があるか

自分が得意なことと、お客様がお金を払うことは別です。

ここがNOなら、それは趣味に近いものです。悪いことではありませんが、売上にはつながりません。

見分け方はひとつ。それを理由に選んでくださったお客様が、実際にいるかです。

② 他社が持っていないか

価値があっても、同業のほとんどが持っているなら、選ぶ理由にはなりません。

「あって当たり前」になっているものがここです。ないと困るけれど、あっても選ばれない。

この箱を見るには、同業のホームページを何社か並べて読んでみるのが早いです。同じ言葉が並んでいたら、それは珍しくありません。

③ 真似するのに、時間やお金がかかるか

真似しやすいものは、一時的な強みで終わります。道具や仕組みは、お金で買えば追いつかれます。

逆に、長い年月をかけて積み上げたもの、人との関係、溜まった経験は、真似に時間がかかります。お金で買えないからです。

中小企業の本当の強みは、たいていここに眠っています。そして、本人が強みだと思っていないことが多いのもこの箱です。長くやっていると、当たり前に見えてくるからです。

④ それを活かす体制になっているか

社長一人が知っている。担当者一人しかできない。そういう状態だと、強みがあっても回りません。

仕組みや人の配置まで含めて、はじめて強みとして使えます。

どこでNOになったかで、意味が変わる

NOになった問い意味
① 価値強みではない。別のものを探す
② 珍しさ「あって当たり前」。差にはならない
③ 真似のしにくさ一時的には効くが、長くは続かない
④ 体制材料はある。活かし方の問題

④でNOになった会社は、実はいちばん惜しい位置にいます。新しい強みを作る必要がなく、活かし方を変えるだけで前に進めるからです。

人を増やす必要も、新しい設備も要りません。手順を書き出す、他の人にもできるようにする、伝える場所を作る。それだけで変わります。

検算を通った強みを、一言にする

最後に、伝わる形にします。重ねるのは3つです。

  • お客様が本当に求めていること
  • 自社が得意なこと
  • 同業がやっていないこと

この3つが重なるところが、伝えるべき一言です。

逆に、注意したい組み合わせがあります。自社も同業も得意だけれど、お客様は気にしていないことです。ここに力を入れても、売上にはつながりません。技術に自信のある会社ほど、はまりやすい落とし穴です。

一言が決まったら、ホームページ、名刺、見積書、電話の第一声まで、同じ言葉で使い続けます。第5回で書いたとおり、違いは伝わってはじめて違いになります。

まとめ

強みかどうかを決めるのは、自分ではなくお客様と競合です。

4つの問いで検算し、通ったものを一言にする。

そして、④の体制でNOになったなら、あなたの会社はいちばん近道にいます。

次回は、その強みをどこに向けるかです。限られた人とお金を、どの商品・どのお客様に配るのかを扱います。

YMWorksでは、強みの洗い出しから、それを一言にしてお客様へ伝えるホームページづくりまでご相談いただけます。

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