Strategy は日本語で戦略と訳されます。辞書的な定義での戦略とは、長い目でみた戦いのための準備・計画・運用の方法のことを一般的にいいます。

どのような銃や剣を使うとか、どのような人を向かわせるとか個々の具体的な方法 ”戦術”とは違い、”戦略”はそもそも誰と戦うべきかとか、誰が敵となりうるのかとか大きい視点に立ったときの方法を指します。 ここではビジネスにおける戦略を見ていきます。単なる辞書的な意味の戦略だけではなく、「戦略」とはどういったものか・どのように活用されるかを焦点に当てて紐解いていきます。

戦略とはまず「どのように」が常にキーとなってきます。

どのように顧客を惹きつけ満足させるか

  • どのようにライバル企業と競争するか
  • どのように今の経済状況に対応するか
  • どのように目標に効率よく達成できるか

企業はこれからどのような行動を取っていくかを決めるのにも戦略が必要になっていきます。 ライバル企業とは違った方法で競争するのにも戦略が必要になっていきます。

  • ライバル企業がしないことする
  • ライバル企業ができない事をする
  • 今、企業が何をすべきか、または何をしないべきか

競合優位 (Competitive Advantage)

経営戦略 strategic management  を語る上で competitive advantage という重要なキーワードがあります。競合優位とか、競争上の優位性などと訳されます。ライバルと競争するあたって相手より優れている事を指します。この competitive advantage を得ることは何もビジネスに限ったことではなく、スポーツやゲームといった競争するすべての事において重要になってきます。例えばバスケットボールで、相手選手より足が速い・相手選手よりドリブルがうまい・相手選手よりスタミナがある・相手選手よりパスがうまいとかです。

なぜ戦略が必要か?

そもそも戦略がなぜ必要かというものこの competitive advantage という考え方が重要になってきます。さっきの例でバスケットボールで勝つのに、誰よりも足が速い・誰よりもドリブルがうまい・誰よりもスタミナがある・誰よりもパスがうまいとなれば良いのですが、なかなかそうは行きませんよね? 練習する時間も限られるでしょうし、体格的な差もあるかもしれません。背も高く、はるかに高くジャンプできる相手選手に対して毎回リバウンドだけで勝負しに行ってもなかなか勝つのは難しいでしょう。

企業における優位性も同じことがいえます。リソース(資金力・技術力・資産など)は常に限られています。その限られたリソースをどのように配分し competitive advantage を獲得し持続していくためにも戦略が必要になってきます。バスケットボールの例だと、リバウンドでは負けても、ドリブルやパス回しでは負けないとか、スタミナがあるから相手を疲れさせる動きをするとかです。 そして、もう一つ重要な事が常に絶対的に優位な戦略はないということです。ビジネスにおいては常に世の中の状況は変化していきます。その変化に合わせた戦略が必要になってきます。